社会学を学ぶためのおすすめ本8選(2026年)
社会を取り巻く仕組みは、私たちが気づかぬうちに日常の選択や価値観を静かに方向づけています。 なぜ人々は似た行動をとるのか、 なぜ社会の不平等はなくならないのか――そんな素朴な疑問に向き合うことは、 自分自身の立ち位置を見つめ直すことにもつながります。
社会学は複雑に絡み合ったその背景を少しずつひも解き、 “当たり前”の裏側に潜むルールを照らし出してくれる学問です。
ここでは社会学に関するおすすめの書籍を、 ランキング形式で1位から順番に紹介します。
社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像
社会学の広大な世界を“人物”と“用語”の両面からつかみやすく整理した一冊です。 300を超える基本概念に加え、コントやマルクス、 ウェーバーなど75名以上の社会学者の理論を図解で紹介しています。
デュルケームの「アノミー」や「機械的連帯・有機的連帯」、 マートンの「顕在的機能/潜在的機能」、 ブルデューの「ハビトゥス」など、 社会理解に欠かせないキーワードを具体例とともに学べます。
近代から現代、そして未来へと流れる理論の変遷を一望でき、 入門にも最適な一冊です。
(読者の口コミより)・現在はじめて社会学を勉強中です。 教科書や先生の説明だけではわからず、もっと簡単にわかるイラスト付きを探していました。 これだけで完璧!という事はないかもしれませんが、補助としては最高です!
目次
近代の幕開け 年表 人物紹介 用語解説 近代から現代へ 未来へ
断片的なものの社会学
岸政彦氏が日常のなかで出会った人びとの語りを手がかりに、 「解釈しきれない出来事」にそっと光を当てるエッセイ集です。
路上でギターを弾く人、夜の仕事に生きる人、 過去にヤクザだった人――どの語りも劇的ではないのに、 ひとつの人生の重みが静かに迫ってきます。
梅田の繁華街を行き交う無数の「普通の物語」が、 いかに豊かで説明しがたいものかをすくい取る姿勢は、 社会学の枠を越えて読む者の心を揺さぶります。 分析でも批評でもなく、ただ“そこにある断片”に寄り添うように綴られた文章が、 日常の見え方をそっと変えてくれる一冊です。
(読者の口コミより)・商品を売るためにストーリーが求められることがありがちな今の社会。 少し引いた視点で切り取られた断片の数々が、とても魅力的で、 しかも時にユーモラスに、時に温かく文章化されています。
目次
人生は、断片的なものが集まってできている 誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない 土偶と植木鉢 物語の外から 路上のカーネギーホール 出ていくことと帰ること 笑いと自由 手のひらのスイッチ 他人の手 ユッカに流れる時間 夜行バスの電話 普通であることへの意志 祝祭とためらい 自分を差し出す 海の向こうから 時計を捨て、犬と約束する:物語の欠片
日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書 2528)
日本社会を動かしてきた「しくみ」の正体を、 歴史とデータをもとに解き明かす一冊です。
長時間労働や低い人材流動性、正規・非正規の格差といった現在の問題は、 戦後に形成された日本型雇用――新卒一括採用、終身雇用、定期異動などの慣行――と深く結びついています。
その起源を戦前の制度や民主化期の政策、 高度成長期の“社員の平等”思想へとさかのぼり、 なぜ日本だけが独自の雇用モデルを確立したのかを分析。 「社会のしくみ」の全体像を描き、停滞の背景を理解するための視点を提示します。 日本社会の現在地を知るためにおすすめの一冊です。
(読者の口コミより)・なぜ日本では今のような働き方(雇用制度、人事制度)が主流になっているのか、 近代史のプロセスを紐解き一般人にも非常にわかりやすく解説してくれる素晴らしい本だと思います。
目次
序章 第1章 日本社会の「三つの生き方」 第2章 日本の働き方、世界の働き方 第3章 歴史のはたらき 第4章 「日本型雇用」の起源 第5章 慣行の形成 第6章 民主化と「社員の平等」 第7章 高度成長と「学歴」 第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ 終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか
14歳からの社会学―これからの社会を生きる君に (ちくま文庫)
宮台真司氏が「これからの社会をどう生きるか」という根源的な問いに、 社会学者として真正面から応える書籍です。
なぜ社会にはルールが必要なのか、人はなぜ恋愛に惹かれるのか、 仕事と生活のバランスをどう考えるべきか――といった身近なテーマを、 10代にもわかるように解説します。
「本物とニセ物を見極める力」や「自由とは何か」といった章では、 複雑な社会を生き抜くための視点を具提示。 重松清氏・大道珠貴氏との対談や、SF作品を社会学的に読み解くガイドも収録されています。
(読者の口コミより)・ただ社会学の説明をするのではなく、自身の人生を語りながら、社会とは何か、人生とは何かを語っていて、その姿勢に好感を覚える。
・良くも悪くも宮台氏の個性が色濃く反映された本でした。
目次
1 「自分」と「他人」―「みんな仲よし」じゃ生きられない 2 「社会」と「ルール」―「決まりごと」ってなんであるんだ? 3 「こころ」と「からだ」―「恋愛」と「性」について考えよう 4 「理想」と「現実」―君が将来就く「仕事」と「生活」について 5 「本物」と「ニセ物」―「本物」と「ニセ物」を見わける力をつける 6 「生」と「死」―「死」ってどういうこと?「生きる」って? 7 「自由」への挑戦―本当の「自由」は手に入るか? 8 BOOK&MOVIEガイド―SF作品を「社会学」する
社会は「私」をどうかたちづくるのか (ちくまプリマー新書 487)
「私」という存在がどのように社会によって形づくられているのかを、 多角的に解き明かす書籍です。
時代や環境によって“私のあり方”がどのように変わるのかをデータで示し、 ミードの「役割取得」やゴフマンの「相互行為」、エリクソンのアイデンティティ理論など、 自己理解に欠かせない社会学的視点を平紹介しています。
さらに、現代社会で自己が多元化する背景や、 自分を“物語として語る”ことの意味にも踏み込みます。 「私」は固定された存在ではなく、 社会との関係のなかで揺れ動き続ける――その気づきを与えてくれる一冊です。
(読者の口コミより)・良い本。特別新しい何かを見つけるというよりも、先人たちの知見を整理して、今の読者につなげる一冊。
目次
第1章 数字でみる「私」 1 時代のなかの「私」 2 社会的状況による「私」の違い 3 「私」のあり方と「社会」への向き合い方の関係 第2章 他者と「私」 1 「役割」と自己――ジョージ・ハーバート・ミード 2 「相互行為」と自己――アーヴィング・ゴフマン 3 発達課題としての「アイデンティティ」――エリク・H・エリクソン 第3章 現代社会における「私」 1 「心」への傾斜 2 自己の多元化 3 後期近代と自己の再帰性 第4章 つくられる「私」 1 「自己」を歴史的に捉える 2 ミシェル・フーコー――言説・テクノロジー・主体化 3 現代における主体化のテクノロジー 第5章 語られる「私」 1 「物語」としての自己 2 自己はどこでどう語られるのか――制度とアイデンティティ・ワーク 3 自己と社会をめぐる循環へ
大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる (角川文庫)
ロングセラーの文庫版。 大学4年間で学ぶ社会学のエッセンスを、10時間でつかめるように整理した書籍です。
「家族」や「働き方」「消費」など、私たちが日常的に接しているテーマを手がかりに、 社会がどのように成り立っているのかを説明します。
たとえば、日本型組織では責任感の強い人ほど業務が集中し、 過労につながりやすい構造や、 消費社会では商品そのものより“イメージ”が価値を生み出す仕組みを具体的に解説。 権力が人を抑圧するだけでなく「自発的に行動する主体」を生み出す側面にも触れ、 現代社会を読み解く視点を提示します。
(読者の口コミより)・中身は社会学全体のざっくりとした紹介なので、非常にとっつきやすかった 巻末に次に読むおすすめの本が親切にも紹介されているのもgood
目次
第1部 社会の謎と正体を探究する 第2部 身近な世界から出発しよう 第3部 働き方と職場の人間関係 第4部 日常と非日常のインターフェイス 第5部 社会学物語
集まる場所が必要だ――孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学
災害や社会の二極化の中で私たちが安心して暮らすために必要な 「開かれた場」の重要性を解説する書籍です。
1995年のシカゴ熱波では、社会的孤立が生死を分ける要因であったことを明らかにし、 図書館、学校、運動場、託児所といった誰もが利用できる場所—「社会的インフラ」が、 つながりを生み、命や暮らしを守ることを示しています。
日常にあるこれらの場の役割や、犯罪抑制や学びの促進、 健康的なコミュニティ形成など具体的な効果を紹介。 コロナ禍の経験を経て、私たちにとって欠かせない知見を提供する社会学の書です。
(読者の口コミより)・「社会的インフラ」では、何が行われ、何が生まれているのか、社会学者の検知から描かれている。 図書館や犯罪を減らすインフラ、学びを促すキャンパスや大学・地域社会のあり方、災害時のあり方など、様々な実証事例から得られたインサイトがまとめられている。
目次
序章 社会的インフラが命を救う 第1章 図書館という宮殿 第2章 犯罪を減らすインフラ 第3章 学びを促すデザイン 第4章 健康なコミュニティ 第5章 違いを忘れられる場所 第6章 次の嵐が来る前に 終章 宮殿を守る
社会学的方法の規準 (講談社学術文庫 2501)
近代社会学の祖エミール・デュルケームが1895年に発表した、 社会学の方法論を定める古典的名著の新訳版です。
デュルケームは社会を単なる個人の集合ではなく、 個人を超えた客観的実在「社会的事実」として捉え、 社会学固有の対象とその扱い方を提示しました。
本書では社会的事実の定義や観察・説明の方法、正常と病理の区別、 社会類型の構成など、社会学研究の基本規準を体系的に解説。 社会学の基礎とその発展を理解するためにおすすめの一冊です。
目次
第1章 社会的事実とは何か 第2章 社会的事実の観察に関する規準 第3章 正常なものと病理的なものの区別に関する規準 第4章 社会類型の構成に関する規準 第5章 社会的事実の説明に関する規準 第6章 証明の実施に関する規準
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